「何よ、まだ子供じゃない。…だからと言っても吸血鬼は吸血鬼ですものね」
女の人は冷たい声と表情のまま、小瓶を取り出しました。
「見逃すわけにはいかないわ。悪く思わないで頂戴」
小瓶をこちらに向けながらブツブツと何やら呟いています。
その途端、カイルの背を悪寒が走り抜けました。
いけません、これはとても危険な感じがします。
「凍結魔法!!」
逃げなきゃ、と思ったカイルの目の前で、突如冷気が迸ったかと思った次の瞬間
女の人が掲げた小瓶が凍り付いて砕け散りました。
「マーヤ!こんなところで何やって・・・・・・あら?」
森の奥から、また別の女の人が現れました。