カイルの小冒険40

それでもカイルが動けないでいると、

「吸血鬼には沁みる歌だよなぁ……」

カイルの小冒険40

いつの間にか、傍にこれまた知らない男の人がいて、しんみりと歌に聴き入っています。
燃える様な赤毛の、ちょっとガラの悪そうな人です。

「お前、こんな子供なのに吸血鬼なのか。哀れだな…。俺の子供時代もそりゃあ悲惨だったけど……」

何だか長い自分語りが始まりそうだったので、カイルは早々にその場から立ち去ることにしました。

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