それは
夜に生きる者達へ
夜を夢見る者達へ
夜に恋した者達へ
捧げる 歌 ――
発売日: 06/8/13 06/9/19(第二版)14/02/08(DL版Ver.2.0)
バージョン:2.00
対応OS: Windows98/2000/Me/XP/Vista/7
価格: 1500円 600円
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「BotherRhapsody」「NightMare」「CriminalMemory」をプレイしておくとより物語がお楽しみになれます。(未プレイでもOK)
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ネタバレ後記はこちらからどうぞ。
<STORY>
『流血貴人の城』と恐れられる、吸血鬼が君臨する城 ―― その名はウェルヴァー。
その城主は人間・同族問わず夜毎拷問に興じ、それでも常に血に飢え続けると噂される貴族、ナーダシュディ公。
深い森の奥で猫のケイと暮らす吸血鬼カイルの館に、救いを求めて一人の人間が逃げ込んできた。
ウェルヴァー城から脱走したのだと言う彼女は、震える声で城の内情を語る。
そこはまさに地獄だと。
そして……
見知らぬ相手の元を訪れる事に気は進まぬものの、少女の言葉に一つだけ不安を覚えたカイルは、ケイと共にウェルヴァー城へと向かう。
その城にいると言う、黄金の髪と瞳の、この世ならぬ美貌の吸血鬼に会うために――
絶え間なく城内に流れ続ける血の匂いに吸血鬼としての本能を呼び起こされていくカイルは、封印していた自分の過去をも思い出していく。
兄ラルクとの出会い、初めて血を吸った日、母が自分に告げた懺悔…
夜の歌を歌う女は何も語らない。
ただ、歌い続ける。
夜の世界のために。夜を生きる民のために。
「夜を愛した貴族へ捧げよう。これが、私からの夜想曲だ」
<Character>
吸血鬼。今回の主役。
ミアからの情報に半信半疑のまま、それでもウェルヴァー城へと赴く事になる。
シュテファンの噂は知っているが、直接の面識はない。
元人間だった母親はカイルを「人間」として育てたため、幼い頃まで自分を人間だと思いこんでいた。
そのため今でも精神的に吸血行動を苦手とし、植物などの精気を吸い取って糧にしている事が多い。
カイルと同居しているキャットウーマン。
カイルと共にウェルヴァー城へ赴く。
かつて人間に捨てられた事があり人間を嫌っている。
【ラルク】
吸血鬼。幼い頃からのカイルをよく知る人物。
彼が初めて人の血を吸い殺した日の事も――
ウェルヴァー城へ滞在中との噂…?
【シュテファン】
吸血鬼。シュテファン=R=ナーダシュディ公。
人を人とも思わぬ上流貴族の間ですら『流血貴人』と恐れられる、ウェルヴァー城の主。
いつも血に飢え飽くことなく拷問に興じていると専らの噂だが…。
常に顔の右側を隠す様に髪を垂らしているが、その理由は語ろうとしない。
【?】
ウェルヴァーの城で出会う、肌もドレスも髪すらも純白な女。
ただ一心に美しい歌を歌い続けている。
【ミア】
ウェルヴァー城に仕えていたメイドの少女。
酷い拷問を受け殺されるところを脱走し、カイルの館へ飛び込んできた。
<Gallery>
夜の歌を歌う女
白い部屋に響く、白い歌声。
白き女が奏でる、夜の歌。歌い手を讃え舞い散る、白い光。
月明かりですら、その歌に魅了され果て無き想いを歌にこめ
全ては、夜のために。
それは、夜想曲――
過去を思い返す吸血鬼
あれは…何歳の時だっけ?
自分は人間だと思いこみ、信じていた――
「……カレン」
お伽噺が醒めた、時。
さっきの気分を思い出す。
もし…もし、あの時、誰かが通りかかっていたら――
僕は、正気でいられただろうか…
雨と血で刻まれた恋人達の記憶
知っている。
かつて、どれほどに彼女を愛したか
どれほどに彼女に愛されたか
どれほど―― 他人に優しくなったのか。
幾度も救ってもらった。
人間の世を旅する事を、面白いと語った。
僕の屋敷でワインを片手に異国の物語を聞かせてくれたのはいつだった?
凍える雨の中、夢魔に心奪われるほど夢を見たのは誰―― !
「あんたの望みは、一体何なんだ?」
「私の望み、だと?」
僕が知っていたラルクなら、それはただ一つの筈。
生血に溺れ他者の苦痛を享楽とする狂った魔物とは一線を画していた吸血鬼。
それが、たった一つだけ心の底から欲した望み。
かつて、命を懸けて貫いた、切なる願い。
虚しく儚い夢。
たった一つの、真なる想い。
「行け!逃げるんだ!!」
「や…いや……」
震えながら、小さくケイは首を左右へと振った。
どうして?どうして?
死んじゃう?
カイルが
血が、あんなに…!!
「いやああああ!!カイルを置いてなんか、行けない!あたし一人でなんか行けないよお!!」
戦慄した。
先程まで蒼く世界を照らしていた月明かりが、今や赤く赤く血の色に見えるほどの鬼気に。
吹きつける夜風にまでも凄まじい殺気を孕ませ、『流血貴人』は壮絶な笑みを浮かべる。
飢えた眼の色。
それは、永遠に癒やされる事のない、渇きだ。
ああ、歌だ。
夜の眷族ならば、どんな魑魅魍魎も聞き惚れる。
高く 低く
それは、魂の呪縛。
何故ならこれは、夜に生きる者達の歌だから。
力強く 儚く
磨き抜かれた水晶の様に澄み渡る旋律。
誰も逆らう事なんて出来ない。
夜を統べる者が歌う、歌だから――