クラッチの存在

私が入校した教習所は、教習料金を一括前払いの特典として、修了検定(実技・学科)を一度だけ無料で再試を受けられた。(通常は1000円)
だからまー、ナメてロクに勉強しなかったところ、落ちました。(点数は明かされなかった)
面倒だけど仕方ない、まあ料金かからず再試受けられるからいっか、と前向きに思うことにした。
ところがドッコイ、そこには巧妙な罠が隠されていた。
確かに再試料は無料。だが、再試を受けるためには補講を受けることが必須なのである(1000円)

そんな訳で泣く泣く金を払って補講を受けたのだが、「半クラってなんですか?」と質問した女の子がいた。
その子はAT限定のため、クラッチの存在を知らなかったとの事。
「何言ってんのこの子」って感じの空気の中、私は別の意味で驚いていた。
「AT限定ってクラッチを知らなくても運転出来るんだ!」と。

私は入校まで、MTとATの違いなど本気で知らなかった。
免許を持っている友人に聞いたことはあったが、「AT限定しか持ってないと、後でMT運転しようと思ったときは限定解除しなきゃ駄目なくらいか」との答えに、「ふーん、よく分からないけどMTなら面倒なことはないのかな?」と思って、MTコースを選択しただけなのだ。
後から思えば、免許持って運転しまくってる友人からすればMT車=クラッチ操作なんて情報は当たり前過ぎて言わなかったのだろう。
でもな、車のことなんて全く知らない身としては、クラッチやギアがどんな風に使われるものなのかすら分からなかったんだ!
カーブの時とか、ギアチェンジして半クラにして前と左右とバックミラーを確認してハンドルを切って…なんて技を一度にやらなければならないなんて!!

対するATはクラッチも無ければ、カーブの時もギアに触る必要無し、とな。

そんな違いを、知識を、もっと調べておけば良かったなぁと本当に思う。
今じゃ情報欲しいと思ったらググれば良いんだもんなぁ。時代は変わった…。

しかしあの時、クラッチを知らなかった子を笑ってた他の教習生達、自分たちも落第してんだから人のこと笑えんだろ